ドラマ「監察医 朝顔」 の中で、亡くなった人の痕跡がいろんなところに残っていて、遺された人にはそれが辛いというセリフがありました。
本当にその通りだと思います。
ドラマ「監察医 朝顔」の、いちシーンのセリフをご紹介します。
ドラマ「監察医 朝顔」第18話の一部ネタバレがあります。
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ドラマ「監察医 朝顔」とは
ドラマ「監察医 朝顔」はフジテレビ月9枠で放送されているドラマです。上野樹里さんが主演で、監察医の朝顔がご遺体を調べて、どうして亡くなったかを解明していくお話です。
朝顔のお父さんは刑事で、時任三郎さんが演じています。
原作は漫画だそうですが、原作とドラマはだいぶ雰囲気が違っているようですね。
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「監察医 朝顔」第18話 松本教授(片桐はいりさん)のことば
「亡くなった人の痕跡~」の言葉は、片桐はいりさん演ずる松本教授の言葉です。
松本教授のアシスタントをしていた女性が亡くなり、その亡くなったときの状況について朝顔が、
その方は自分がいなくなったあとに松本教授がその方のことを思い出して辛くならないようにある行動をしたのかもしれない
と言ったのを受けての言葉です。
ちょっと長いですけど書きますね。松本教授は次のようにこたえます。
ほんとに浅はかです。
そんな心遣い何だっていうんですか。
人間はそんな簡単なものじゃないんです。
人間はほんのささやかなことでも自分にとって 大切な人のことを関連付けて思い出せる生き物です。
その人が来たことがあるだけで自宅に帰るのが辛くなる。
その人と一緒に食べたものを食べればその日の光景をありありと思い出す。
その人と歩いた道を歩けばしゃがみ込んで歩けなくなる。
何てことないものにも全て人間の生きた痕跡が残っているんです。
残された人間はそういった痕跡と生きていかなければならない。
それは 時に幸せでもあるし今の私には 辛いことです。
この言葉を片桐はいりさんが切々と語るのです。
ほんとにそうですよね。その人が来たことがあるだけでつらいと松本教授は言っているのに、一緒に暮らしていた人が亡くなった場合は、いったいどうしたらいいのでしょう。
その人が来たことがあるだけで~と言っているところでは、画面は松本教授のお部屋のきれいなコーヒーカップやスリッパの映像になっていましたね。
教授とアシスタントというのはもっとビジネスライクなもので、仕事だけのつきあいなのかなと思いますが、ドラマでの松本教授とアシスタントというのは親しいお付き合いをしていたのですね。
この松本教授の言葉、自分が死別を経験していなければ特に気にとめなかったかもしれません。
大事な方との死別を経験された方も、少し時間がたてば周りの人からもう立ち直ったと思われて、いろいろなことを言われることがあるでしょう。
そんなときにこの松本教授の言葉を教えてあげればどのような状態でいるのかを分かってもらえるのではないでしょうか。
わが家の痕跡
私の家にも亡くなった夫の痕跡がたくさんあります。
子供が就職して初めてのお給料で夫と私にきれいなコーヒーカップをペアで買ってくれました。お休みの日には夫がコーヒーを入れてくれるので、
おいしいコーヒーが、きれいなカップで飲むとますますおいしいね。
なんて言っていたのです。ドラマを見ていて思い出しました。
今はそのコーヒーカップを出すことができません。
他にも本、服、腕時計、楽器、亡くなった夫の痕跡だらけです。
ここを読んでくださっている方も、大事な方を亡くされてその方を思い出させるものを見て、辛い思いをされているかもしれません。
なるべく早く、その辛さが和らぎますように。
楽しかった記憶として思い出せる日が早く来ますように。